EC市場においてモールECは重要なチャネルの1つ。その中でも楽天市場と双璧をなすモールが「Amazon(アマゾン)」です。
EC事業拡大のために始めたAmazonへの出店ですが、いざアカウントをオープンして商品を登録したものの、なかなか売上が上がらない……。実はAmazonは新規出品者に厳しいのでは!?
そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
当記事では、Amazonの新規出品における基本的な解説から、販売開始後に課題になりやすい項目について解説します!
Contents
Amazonへの新規出品の流れ
まずはアカウントを開設しましょう!
Amazonには「小口出品プラン」と「大口出品プラン」、大きく分けて2つの出品方法があります。
各プランのメリット・デメリットと選び方については以下の記事をご参照ください!
→Amazonの出品プランを比較
販売を開始する前には個人・法人共に上記のどちらかのプランにて出店の申し込みを行い、アカウントを開設する必要があります。もしアカウント開設につまずいてしまったら、以下の記事もご参照ください!
→Amazon出店に関する準備
商品出品の下準備
アカウント開設の審査を待っている間に同時に進めておきたいのが、実際に商品を新規出品する際に必要となる各項目の準備です。Amazonに商品を登録する際には以下の項目が必須となります。
■JANコード等の製品コード(GTINと呼ばれる、UPC/EAN/JAN/ISBNなどに代表されるコード)
■SKUコード(在庫連携等の際に使う、内部管理用のコード)
■ブランド名
■商品名
■メーカー名
■所属カテゴリー(ブラウズノード)
■商品説明文
■販売価格
■商品画像(白抜きサムネイル画像)
これらの情報に関しては全て揃った状態で商品登録を行わないと「出品情報の不足」という扱いとなり、モール内の検索対象外となってしまう可能性があります。
当然検索対象外になってしまってはアマゾンモール内で販売を伸ばすことはできませんので、準備のできた段階で商品登録を進めるようにしましょう。
商品出品の登録方法(各箇所に画像うまく入れたい)
商品出品の方法に関しては「通常の商品登録」と「アップロードによる一括商品登録」の大きく2つあります。
複数の商品を同時に登録したりする場合には、在庫ファイルテンプレートを活用した「アップロードによる一括商品登録」が効率的でオススメです。ただし、商品の分類(≒商品のカテゴリー)によって入力必須項目が変わったり、在庫ファイルで指定できるブラウズノードID(各商品ジャンルに紐づけられているID)が違ったりするので、登録する商品の分類に合わせて、都度テンプレートを作成しましょう。
また、在庫ファイルテンプレート自体もAmazonの仕様変更に伴って随時更新されています。古いテンプレートを使用してしまうと新しく必須となった項目が設定できなかったり、項目名が変わってしまっていてうまく商品情報として紐付けがされなかったりという場合もありますので、同じ商品カテゴリーの商品を登録する際にも、常に最新の在庫ファイルをダウンロードして使用しましょう。
「通常の商品登録」に関しては、さらに「既に販売されている商品」か「Amazonで販売されていない商品(オリジナル商品)」かの2種類によってさらに出品方法が異なります。
「既に販売されている商品」を取り扱う場合は、amazonのカタログから商品を検索することで、簡単に商品を登録することができます。検索の際には、GTIN(UPC/EAN/JAN/ISBN等)の他、アマゾン固有の商品コードである「ASIN」でも検索することができます。
実は、各商品のASINは商品ページ等からも確認ができまして、このASINコードには既に商品画像や商品名、ブランド情報などが登録されています。
つまり、Amazonで既に売れている商品などを取り扱いたい場合、その商品ページからASINを検索してしまえば、JANコード等が分からなくてもSKUコードや販売価格、配送条件などの各セラー固有の情報を設定するだけで販売可能となります。
一方、「Amazonで販売されていない商品(オリジナル商品)」を取り扱う場合は、商品ジャンルを選んでから商品登録に必須の項目を全て登録していく必要があります。
なお、オリジナル商品で商品にGTIN(UPC/EAN/JAN/ISBN等)が発行されていない場合は、免除を申請することができます。
→JANコード免除申請について
また、ブランド名に関しても、既にamazonに登録されているブランドであれば問題なく申請することができますが、自社オリジナルブランドでまだAmazon内に登録がない場合、ブランド登録申請を行う必要があります。
→ブランド登録申請について
これらはそれぞれ申請から認可まで数営業日程度かかり、審査状況によっては商品画像の提出や納品書の提出などを求められるケースもありますので、商品発売日などのタイミングから逆算して事前に申請をしておくことが重要です。
商品登録完了!でも売れない?なぜ?
商品登録が完了し、在庫も連動されいよいよ販売開始!でも連日0円が続き一向に売上が上がらない・・・。そのような方は是非以下の3点を確認・検討してみましょう。
①商品ステータスが「出品中」となっているか確認する
商品情報が正しく登録されていなかったり、不足した状態で登録されてしまっていたりする場合、在庫管理画面で商品のステータスを確認すると「商品出品情報の不足」「検索対象外」「在庫切れ」等のステータスとなってしまっている場合があります。
特に、アップロードによる一括商品登録は、エラーが出ずに完了したものの「実は不足している情報があった!」などということが起こりやすく、注意が必要です。商品登録については「出品中」のステータスに切り替わるまで確認をしましょう!
(※セラーセントラルのシステムの都合上、商品情報は半日〜1日くらいかけて登録されます。そのため、出品登録直後はステータスが「商品出品情報の不足」となっている場合が多いですが、時間の経過に伴って「出品中」に切り替わっています。したがって、ステータスは時間を空けて確認することをお勧めします。)
②カートが獲得できているかを確認する
Amazonでは1つの商品に対して1つのASINが発行され、そのASINに商品情報が紐づけられるため、同じ商品を複数セラーが販売する場合、1つの商品ページに複数のセラーが集約されることになります。(在庫情報や実際の販売実績は、各セラーで商品登録の際に発行したSKUコードに紐づいて反映されます。)
ところが、アマゾンユーザーの方なら分かると思いますが、ユーザーの購入画面では積極的にセラーを選んで購入、などの画面は表示されません。複数競合しているセラーの中から条件のいいセラーが最優先として選ばれ、ユーザーは何の疑問も持たず、比較検討することもなくそのセラーで商品を購入します。
Amazonでの販売において、この、“最優先セラーとして選ばれている状態”を「カートを獲得する」と言います。特に競合が多い商品だとセラー数は数十社に及ぶこともあり、当然販売実績等も考慮されるため新規出品者がカートを獲得するのは簡単なことではありません。「amazonは新規出品者に厳しい」という噂は少なからず正しいと言えるでしょう。
また、注意しなければいけないのは自社オリジナル商品でも同じです。自社オリジナル商品に関しては競合がいないため、本来カート獲得率は100%となるはずですが、販売実績がない最初の2~3ヶ月間は「カートが獲得できていない状態」となる可能性がありますので、注意が必要です。
③在庫連携・バリエーション登録などが正確にできているかを確認する
配送設定をFBA(フルフィルメント by Amazon)にした場合、商品の在庫をAmazonの倉庫に送り、そこから商品発送がされます。ただし、この納品状態にエラーがありアマゾンの倉庫にきちんと納品されていない、納品はされたもののFBAが混雑していてなかなか商品が反映されない、などの原因で在庫がきちんと反映されていない場合があります。エラーとなった商品は最悪の場合返送されてしまうケースもありますので、納品前、そして納品中もFBAの納品ステータスをこまめに確認しましょう。
→FBA(フルフィルメント by Amazon)とは?
自社出荷(マケプレ発送)の場合、在庫は数値入力でも反映されますのでエラーは起きにくいですが、システム等を導入している場合はエラーとなっている可能性もあります。また、カラーやサイズなど、味などバリエーションを登録した親子登録型で商品を登録している場合、子ASIN毎にきちんと在庫が連携されているかも確認が必要です。
→バリエーション登録(親子関係)の方法について
新規出品者でも販売を伸ばすには?3本の矢で販売強化!
①カート獲得のための賢い販売価格調整
同一商品で最優先となり、カートを獲得するための重要な要素2つのうちの1つが「販売価格」になります。もちろん最安値価格をつけるのが最も効果的ですが、実はカート獲得の要素における「販売価格」には、「送料」や「ポイント還元分」なども考慮されています!
販売価格に差はつけることができなくても、送料を競合よりも安くする、ポイント還元率を競合よりも高くすることで、実質的な販売価格を調整していくこともできます。直近では他モールに追随する形でamazonもポイント施策に力を入れ始めているので徐々にユーザーにも浸透してきており、今後さらに効果を発揮することが期待されます。
常時上記の対応をするのは難しいというセラーなら、Amazonのイベント時だけ対応する、というのも得策と言えます。現在Amazonでは月に1回程度タイムセール祭が開催されている他、Prime DayやCyberマンデーなど年次開催の大きなイベントもあります。そのようなイベント時にカート獲得をするだけでも販売実績の強化に繋がり、価格を戻してもしばらくカート獲得が継続できる場合もあります。
②カート獲得のための配送設計
カートを獲得するための重要な要素2つのうちのもう1つが「配送設定」になります。こちらは基本的に早く正確な配送であればあるほど優遇されるという仕組みになります。
手取り早いのは、FBA(フルフィルメント by Amazon)を活用することです。Amazonが注文処理から発送まで対応してくれるサービスで、在庫さえ納品すれば365日配送対応ができますし、Prime配送(Prime会員向けの配送サービス)マークもつけることができます。カート競合のいない自社オリジナル商品も新規発売時はカートが獲得できない場合がありますが、その場合もFBA配送に設定することでカート獲得をすることができます。
配送手数料以外にも保管料や返送対応費用などコストはかかってしまいますが、本来は自社で行う倉庫管理業務などの項数を販促など別の施策に回せるという側面もありますし、売上最大化に向けて積極的に取り入れているセラーが多い印象です。ただし、FBAに入れることで販売数が伸びてすぐに在庫がなくなってしまっては、当然カートはまた奪われてしまいますので、在庫管理にも注意する必要があります。
もちろん自社からの発送(マケプレ発送)でも翌日発送などを取り入れることができれば、FBAと同等の配送レベルであると認められ差分をなくすことができます。新規出品からすぐにというわけではありませんが、配送遅延などもなく対応しているセラーにはマケプレ発送でもPrimeマークが付与されることがあり、マケプレプライム配送の認定を受けます。
ただし、直近の改訂によりPrime配送のマークをつけるには土日の発送対応が必須となったため、条件としては少し厳しくなってしまった印象があり、FBA配送を導入しているセラーが優位な状況が直近は目立っています。
③商品情報をアップデートして検索対策
Amazonはページ自体も均一化されており、特にオリジナル商品などはなかなかその商品の魅力を伝えにくいという側面があります。その中でも以下の項目を活用することで、検索対策や商品紹介の充実を図ることができます。
■商品説明文
■商品画像(1枚目画像の後に最大8枚の画像登録が可能)
■商品の仕様(最大5つ商品の詳細情報をテキスト入力可能)
■検索キーワード
■商品紹介コンテンツ(A+)
また、新規出品商品については、「新規商品タグ」として、新規商品だけを絞り込んだ検索にも対象となる他、新着ランキングという新規商品が対象となるランキングにも掲載されます。「とりあえず出品して放置」するのではなく、出品当初からなるべく詳細な商品情報を登録して販売実績を積むことで、スタートダッシュに成功することができます。
④スポンサープロダクト広告等を活用した販促施策
Amazonは商品単位で販売していくことがベースとなっており、ユーザーも商品から商品へと回遊していきモール内で購入したい商品を探します。その中で活用していきたいのが、スポンサープロダクト広告等に代表されるモール内の広告ツールです。
→Amazon広告について
Amazonに新規出品する方にとっては、複雑な項目や理由もわからずエラーになってしまう項目が多くなかなかハードルが高く感じられることも多いと思います・・・!いざ登録完了してもなかなか実績を上げられないことも多く、だんだんamazonではなく他のモールに項数をかけるようになる、というケースも・・・。
確かに難易度は高く感じますが、きちんと整理し戦略を立て販売していけば、その成果をしっかりと得られるモールであると考えています。もしamazon店の運用や戦略に関してご相談事項がありましたら是非以下のお問合せフォームよりお気軽にご相談ください!